今回は、エンタープライズ向けにチャットサポートサービスの提供を行っているベンチャー企業に匿名でインタビューにご協力いただきました。ラボ型開発の活用方法や、Senyouを選んだ理由、依頼してみての評価をお伺いしています。──会社とプロダクトのご紹介をお願いします。弊社は、エンタープライズ向けにチャットサポートサービスを提供するベンチャー企業です。当社のチャットサポートサービスは、主力製品であり、最初にリリースしたサービスでもあります。しかし、長年にわたってさまざまな技術的負債を抱えており、それが原因で自分たちが本当にやりたいことが実現できない状態が続いていました。Senyouさんにはそのサービスのエンドユーザーとの接点をつくっている機能のリニューアルを行い、技術的な負債を解消するお手伝いをしていただきました。 ──現在の開発体制について教えてください。弊社の開発チームは、製品ごとに編成されています。今回ご支援いただいたプロダクトに関しては、トップにプロダクトマネージャーが配置されており、その下に日々の業務を取り仕切るディレクターが2名います。開発チームは、フロントエンド担当が4名、サーバーサイド担当が4名で構成されています。──みなさん、基本的に出社して開発されているのでしょうか?私たちはハイブリッドな働き方を採用しています。新型コロナウイルスの流行時にはフルリモート勤務を行っていましたが、状況が落ち着いた頃に改めて対面でのコミュニケーションを重視し、週3日を出社、2日を在宅勤務とする体制に移行しました。出社する曜日は全員が固定で参加するようにしています。──開発部隊の方々はどのような方が働かれていますか。弊社では、ベテランから若手まで幅広い年齢層の社員が働いています。年齢層は26歳から49歳までと幅広く、多様な経験を持つメンバーが集まっています。また、開発チームを含め、外国籍のメンバーが多く在籍しているのも特徴です。業務上の会話は日本語で行っていますが、現在の採用でも国籍は特に重視していません。──国籍にこだわらないことのメリットは何だと考えていますか?日本国籍に限定してしまうと、外国籍の優れた人材や高いスキルを持った人たちの可能性を見逃してしまうと思います。実際、国籍を理由に採用を見送るケースはよくあることですが、実際には素晴らしい人がたくさんいます。私たちは、そうした方々を他の候補者と同じ目線で評価しています。加えて、異文化に触れた人々は、新しい視点やアイデアを持っているため、その点でも大きなメリットがあると感じています。──先ほど技術的な負債があって、Senyouにご依頼いただいたとお伺いしましたが、自社開発ではなくラボ型開発で依頼しようとなった背景を教えてください。社内のリソースがなかったというのが、一番大きな理由になりますね。──計画に沿って開発を進めるので精一杯で、突発的なリソースの確保が難しかった、という感じでしょうか?はい、その通りです。もともと弊社には開発のロードマップがあり、その中で社内リソースを割り当てて進めていました。しかし、途中で予想外の課題が出てきて、機能のリニューアルを行いたいけれどリソースが足りないという状況に。そこで、外部のリソースを活用できないかと検討を始めたというわけです。──他社も検討されたかと思いますが、最終的にSenyouを選ばれた理由を教えていただけますか?Senyouさんを含めて3社に見積もりを依頼しましたが、最終的に選んだ大きな理由は、Senyouさんの技術レベルが私たちの理想的な条件を満たしていたことです。また、最初にお伝えした要件がその後何度も変更されましたが、変動する要件に対して迅速に見積もりを出していただき、柔軟に対応していただけた点も大きかったです。今回のプロジェクトはフロント側の開発の比重が高く、技術的に高いレベルを求められました。発注に至るまで、密に連絡を取り合い、スピード感を持って対応していただけた点にも感謝しています。他社では「その要件は技術的に難しいですね」といった話もありましたが、Senyouさんは「できます」と即答いただいたので、その柔軟性とスピード感が非常に大きなポイントでした。感謝しかありません。本当にありがとうございます。──ラボ型開発を活用するコツがあれば教えてください。ラボ型開発において、コミュニケーションはとても重要だと思います。特に、必要な情報をすべて正確に伝えきれないことがあると思うんです。Senyouさんに依頼する際には、単に要件を伝えるだけでなく、その裏にある背景もしっかり共有するように心がけました。要件が当初の計画から変わった場合も、その変更点と背景を説明することで、「そういう事情があるなら」と理解していただけたので、スムーズに進行できたと感じています。お互いの認識のズレを最小限に抑えながら開発を進めることができたと思います。また、ラボ型開発では、仕様がドキュメントにまとめられていることが一般的ですが、今回はその点が少し不足していました。そのため、口頭でのコミュニケーションや実際にコードを触っていただき仕様を把握してもらいました。さらに、私たちが把握していない仕様もコードから追っていただいたので、その点では非常に助かりました。非常に良いサポートをしていただいたと思います。──ラボ型開発を活用したことがない会社さんが活用するコツという点で考えると、ちゃんと要件を固めた上で依頼しましょう、というのが1つあるかと思います。一方で、それがなかったとしても、Senyouであればできますよというのが強みになるのかなと。要件を落とし込みできないから自社でやろうとするのに対して、落とし込みきらずとも対応できる可能性があるので相談いただいてもよいのではないか、ということですかね。後、ラボ型ですと人材のリソース配分やマネジメント管理を意識しなくてもよいので、無茶な依頼をしてもあとは受け入れていただけるかどうかのみになります。──今のお話はラボ型開発のメリットとしてよく聞かれることですね。個人に依頼してしまうと、その人の能力やリソースに限界があり、依頼したのに実行されなかったり、経過が遅れてしまうリスクがあります。一方、ラボ型開発であれば、一人が抜けた場合でもチームでカバーできるため、経過が遅れることなく、納期を守ることが可能ですよね。質問に戻りまして、自社開発とラボ型開発の使い分けについて、もしお考えがあれば、お伺いできますか。社内では年度でロードマップを引いているのですが、とはいえ3カ月、半年とすると刻々と状況が変わっていきます。ロードマップ通りの開発は自社でやり、変わっていく中で社内で賄えないタスクについてはラボ型開発に依頼する、という棲み分けです。Senyouさんには、予定したタスクの納期を確実に守っていただけるという安心感がありました。そのため、緊急性の高い任務も完全にお任せできたため、自社開発とラボ型開発の分担として良かったと思います。また、製品の核心部分を外部に委託することには抵抗感がありますが、分割して「この機能だけお願いします」「ここだけは完全にやりきってほしい」といったように、常に変更が入らない部分や、その製品と他の製品が深く結びつかない部分なら、外部に依頼しやすいと思います。──その観点もありますね。SenyouのProDX Studioを活用してみて、どうでしたか。相談に乗りやすい雰囲気を作っていただいたと思いますので、その点はSenyouさんに感謝してます。コミュニケーションの取りやすさは何よりもメリットとして大きいです。──コミュニケーションが取りやすかったというところは、今までの話に出てきたこと以外にありますか?こちらの要望に対して、とても柔軟に対応していただきました。漠然とした依頼でも形にして提案してくださり、私たちが判断して修正をお願いしたり、そのまま進めたりできたのが良かったですね。実際に作業を始める前のコミュニケーションがとてもスムーズで、助かりました。また、定例の会議だけでなく、それ以外のタイミングでもレスポンスが早かったです。しかも、昼夜を問わずに対応していただきました(笑)。そうした点でも、とても信頼できると感じました。さらに、こちらから提示した要件以外にも、プラスアルファの対応をしていただくことが多かったです。要件外の相談にも乗ってくださり、懸念点を指摘して問題提起してくれることもありました。結果的に、それが見過ごせない重要な問題だったこともあり、大変助かりました。これまでさまざまな会社に依頼してきましたが、契約や要件に含まれていないことは基本的に対応不可というケースがほとんどです。しかし、Senyouさんは要件外のことでも、すぐに「ちょっと見てみますね」と言ってくださり、翌日には「確認お願いします」と修正を完了させていることもありました。とても寄り添って親身に対応していただき、正直、社内の開発メンバーよりも頼りになると感じるほどでした(笑)。本当に助かりました。──会社の成長やこれからの社会において、ラボ開発を活用することは今後どういう役割を担っていくとお考えですか?まず、大きな役割として挙げられるのは、リソースの柔軟な調整が可能であることです。自社でエンジニアを抱え込みすぎると、どうしても身動きが取れなくなり、新しい需要に素早く対応できなくなることがあります。その点、ラボ型開発のパートナーと協力することで、こうした課題を解決できるのではないかと考えています。また、今後の開発のあり方として、単に外部に発注し、開発を依頼するだけでなく、パートナーと共にアイデアを出し合い、互いに学びながら進めていくことが重要になると思います。開発プロセスを共有し、相互に吸収し合うことで、より質の高い成果を生み出せるのではないでしょうか。今回のプロジェクトを振り返ると、私自身の反省点として、自社の開発メンバーとSenyouさんを直接関わらせる機会を十分に作れなかったことが挙げられます。もっとメンバーを巻き込み、一緒にプロジェクトを進めていれば、社内のエンジニアにとっても成長の機会になったはずです。特に、開発者のスキルアップという観点では、コミュニケーションやマネジメントの経験が不可欠です。しかし、こうした経験を積む機会は意外と少ないものです。いきなりすべてを任せるのはハードルが高いですが、その前段階として、外部の企業とコミュニケーションを取りながら共同でプロジェクトを進めることで、自然とスキルを身につけられるのではないかと思います。今後、開発会社と事業会社が連携する際には、単なる業務委託にとどまらず、スキルアップの場としても活用することが重要になるでしょう。今回のプロジェクトも、そうした機会として活かせていれば、より良い結果につながったかもしれません。その点は、今後の課題として意識していきたいと考えています。──今回ご縁があってラボ型開発をお任せいただきましたが、弊社のやり方やチームで出せるアウトプットについてご認識いただいたと思うので、今後レガシー化したシステムをどうにかしてくれる作業チームがほしいというときがありましたら、遠慮なくご相談ください。すぐにかけつけます。この度は有難うございました。