■経歴長崎県出身。大学卒業後、音楽活動を経て営業としてIT企業に就職した。社内でエンジニアポジションへ移り、SIerへの転職も経験。2021年1月に独立し、現在はフリーランスエンジニアとして大手ベンチャー企業のプロジェクトに従事している。■バンドとアルバイトに明け暮れた学生時代ーー音楽活動を長くされていたんですね!大学進学を機に上京し、学生時代はアルバイトとバンド活動に勤しんでいました。当時はパソコンに触れたこともなく、むしろ苦手意識があったんですが、今こうしてエンジニアとして働けていることを当時の自分では想像もつかないだろうなと思います。ーー確かに思い切ったキャリアチェンジですね…!大学卒業した後もバンドを?そうですね。大学卒業後もアルバイトをしながら、メジャーデビューを夢見てバンドで音楽活動をしていました。2年くらいして、周りの普通に就職した友人の話を聞いたり、ふと自分の将来を考えたことがあって。その時のアルバイトはコールセンターだったのですが、正社員と同じような量働いていたのに、全然稼げてないと自覚しました。だったら正社員として働きつつ、音楽活動もやってもいいんじゃないかと思って、就職を決意したんです。正直、大学の時は就職する意味やメリットがわかっていなかったんですよね、世間知らずな若者、といった感じで。■正社員としての道の始まりーーキャリアのスタートはWeb制作会社の営業だったんですね。ITへの興味のきっかけはFacebookの創業ストーリーの映画「ソーシャルネットワーク」を見たことでした。何もなかった学生がFacebookを作り上げるまでの成功体験、苦難に立ち向かう姿に憧れを抱いて、自分も何かやりたいと思ったんです。そのWeb制作会社も5人くらいの小さい会社でした。バンドも続けたいと思っていましたが、せっかく就職するなら成功したいという思いから、「将来は企業して自分も社長になるんだ」「お金を持つなら社長だよな」と、正直映画に感化されてたのもあるんですが…。手っ取り早く成長するなら社長と近い位置で仕事をすることが一番かなと思ったんです。実際入った当初はパソコンの操作は苦手でしたね。最終的に最低限の操作は身に付けることができたんですが、プログラミングができるとは到底思えなかったですね。ーーではいつからエンジニアに?営業を3年間続けたあと、同じ会社でSEにコンバートしました。会社で小さいながらも自社事業を持っていたんですが、まだ営業職時代に自社事業の新規のプロジェクトにアサインされて企画を取り仕切っていました。内容としては、大学の入試情報系のメディアのようなものでした。例えば、得意科目や偏差値を入れると入試日順に受けられそうな一覧として出てくるような感じです。具体的なターゲットとしては地方の学生です。入試のために東京に来た時、本命以外の隙間時間で受けられる大学がわかって、受けられたらいいなという目的がありました。プログラマーになるときに、受託というよりは自社サービスの開発をやりたくて、営業としても携わっていたその新規開発をやらせてください!と話したらやらせてもらえたのが始まりでした。それから1年、自社サービスを作り続けていました。■転職活動ーーそこからはまたどういったキャリアを歩んで行かれたんですか?未経験から1年での転職だったので、人材紹介会社に登録してひとまずメガベンチャーを目指してみました。ただそれは結構難しいという紹介会社の意見を得て、SIerさんを紹介してもらい転職しました。ーーそこではお客様先に常駐されていた感じですか?そうですね、4年弱くらい所属していたんですが、最初2年間はお客様に常駐するような働き方で、後半は常駐ではなく、自社に持ち帰りでやったり、お客様先に行ったり色々でした。その時から業務委託という働き方でした。■フリーランスへの思いとSenyouとの出会いーーSIerでの約4年の経験を積んで、独立してフリーランスに転身したんですね。時期としては2021年1月からになります。フリーランスになりたいという思いは、前段でお話しした「社長になりたい」みたいなのから来ていると言いますか…サラリーマンとして一生を生きていくのは寂しいなという思いがあって。フリーランスって自由なんじゃないか、と単純にイメージがありました。ーーなるほど…Senyouを知ったきっかけはなんだったんですか?プログラマーになって2年ほどした時、フリーランスという生き方もありなんじゃないかと思い、知り合いのフリーランスエンジニアに聞いて井上さんに繋いでもらいました。会ったのは渋谷でしたね。井上さんは同い年だったんですよ、同い年なのにこんなにしっかりしているんだなとびっくりしました。その時はSenyouさんを始める前だったと思いますが…そこで具体的なお話しを聞きました。その時の話を聞いて「できそうだな」と思うことができて、後押しをしてもらった感じでしたね。井上さんも僕に興味を持っていただけたみたいで、会話は結構盛り上がって2時間くらい話しこんでしまいました…!自分の情報や経歴を見せると、井上さんはいきなり「年収が低いですね」と言ったんです。とても驚きましたが、初対面なのに率直に言ってくれるところが逆に信用できましたね。年収が低い自覚はあったんですが、それよりも本当に低かったんだろうな…。ーーその会では求人を紹介してもらう、みたいなスタンスでの紹介だったんですか?いや、まずはフリーランスでやっていけるのかというところを軸に、実際にどんな案件があるのか、とか可能性のあるところがあるか、とか…仕事に関して全部まとめて相談するような会になりました。2020年に井上さんと話して準備を始めていたんですが、コロナが流行り始めて怖くなってしまって…フリーランスへの道は一旦白紙に戻ってしまったんですよね。前職の会社ではフリーランスの話を出していたので、ご好意で残れるように手続きをしてもらってしばらくはそのまま続けることができました。ーーいい会社さんだったんですね!前職は優しい上司やいい同僚に囲まれて、人に恵まれていたんだなと感じますね。ただ、フリーランスはあまりいなくて、その中の誰かに感化されてフリーランスになりたいと思ったわけではないと思います。やっぱり元バンドマンの本能が・・・!■最近のお仕事ーー今はどんな会社さんの現場にいらっしゃるんですか?Senyouさん経由で入ったところで、メガベンチャーにいます!そこでは最初フロントエンドポジションとして、競輪系のサービス開発をしていました。その後同じ社内で部署移動して、プラットフォームの開発でサーバーサイドポジションとして稼働しています。ーー初フリーランスで、いきなりメガベンチャーに…すごいですね!ーーしかも社内移動されたんですか?そうですね…!競輪系サービスはリニューアルするフェーズからリリースまで開発していました。落ち着いたタイミングで契約は終了したんですが、クライアントさんから「もしよかったら他の部署紹介しますよ!」と言っていただけたんです。別部署を紹介してもらって、移動することができたのでありがたいです!自分の仕事感覚としては、結構淡々とやってきていた感じではありつつ、クライアントさんと気兼ねなく話せる関係はありましたね。社内移動の時は上長の方になんとなく、「また仕事探さないといけないですね〜」と話していたところ、会議で掛け合ってもらってたみたいで、最終的には2つの部署から声をかけてもらいました。ーーということは現場の評価も高かったんでしょうか?どうなんでしょうね…実際現場のフィードバックをSenyouさん経由でいただいていて、内容はシンプルに「頑張ってくれてます」みたいな感じだったので。ただ、忙しい時はちゃんと残業したり、正社員の人と同じレベル感、責任感を持って働いていたのでそういう姿勢は評価いただいてたんじゃないかと思います!■仕事で大事にしていることーー仕事のスタンスや大事にしていることはありますか?自分は積極的に考えるようにするということを意識しています。会議中に自分と関係ない話題になった時でも、それはなんの話をしているんだろうとか考えたり、自分の領域の話をしている時は、積極的に提案をすることを心がけています。どうしてもそういう時に発言しなかったり、存在感を消しちゃう人が多いじゃないですか、今いるところも人数が多いですし。自分のわからない分野、デザイン周りとかの話でも、自分が関与している時は意見を出したり、存在感を出せる時は出していこうという意識があります。ーーフリーランスになって変わったことはありましたか?前職から業務委託だったのですが、その時から積極的に考えたり発言したりすることは意識してました。悪い言い方をすると、正社員に混ざって部外者的な人間が働くわけだから、存在感を出す、積極的にやる、もらった仕事をしっかりやることは今と変わらず大事にしていたと思いますね。フリーランスになってからはなおさらそれを強く思うようになりました。楽して働くことはできますが、それは結局自分の身にもならないし、今後も考えると不安につながりますし…。■失敗体験ーーお話を聞いていて、エンジニアとして、かなり順調に活躍されているというイメージがありますが、逆に「これは失敗したなー」という経験はありますか?パッと思いつくものはあまりないんですが…強いていうなら、今の現場に入って早々OSが勝手にアップデートされてて、現場のルールでパソコン丸ごと交換することになったんですよ。それはヒヤッとしましたね…失敗談という訳じゃないんですけど、最近思うこととして、現場で20代のエンジニアと接することがあるんですが、コミュニケーションも取れるし社会人としてもちゃんとできてるし、その上でコードも書けるようなスキルも高い人が多いなと感じます。そういう意識の高い人が多い会社にいることで、、自分も頑張らないとなと危機意識も持ってますね。今後もそういう環境に身を置いて自分を成長させていきたいです!■今後の展望ーー直近でやりたいことや、長期的な夢は何かありますか?お金に関してのリテラシーを高めたいですね。最近その辺の勉強をし始めています。例えば税金のことや、投資のこととか…。フリーランスになったのも、収入を一気に増やしたいからでしたし、将来的に経済的に自由になれる道だと思っています。おかげさまで生活水準をあげずに、稼ぎを上げる生き方ができているので、今後もそれを守りつつどう資産を増やしていくか、みたいなことを考えてますね。最近はネットや本から情報収集したり、役員の平野さんから教えてもらったYoutubeの動画を観たりしています。ーーそのお金を持って何をやりたいですか?フリーランスを考えている人の中にも気になっている人はいると思います!夢はなるべく早くリタイアをして音楽活動をする時間を増やすことですね!もう一度ライブ活動や、作曲をしていきたいです。ただ、結局は何かしら仕事をするだろうなとも思っています。ただ、生活のために働くことからは脱却して、好きなことをやっていきていければと思っています。エンジニアとして安定するまで、ずっと貧乏だったんですよね。バンドマン時代も、営業を初めてからもです。そんな貧乏だった自分は、プログラミングをやったことで人生がガラッと変わってうまくいき始めました。だから人生はやり直しが聞くと考えています。逆に新卒から正社員として働いていても、スキルが溜まっていかないことに悩んでいる人もいますし、実際バンドマン時代の自分の周りにはそれで苦労している人も多い印象でした。まず若い時にそれに気付けるのって大事だと思っていて、解決方法や他の働き方を知れる場所があればいいのになって思います。将来的にはこの経験を誰かに伝えていくこともやりたいです。子ども向けのプログラミングスクールだったり、下北沢のバンドマンに兼業エンジニアをするのいいよって広めたりとかいいですね!