建設業界の生産性向上を目指す株式会社フォトラクション。同社が開発・提供するクラウドサービス「Photoruction」は、「建設の世界を限りなくスマートにする」というミッションのもと、業界に革新をもたらしています。今回は、同社のCTOである中村さまにお話を伺いました。サービス開発におけるフリーランスエンジニアの役割や、採用時のポイントなどについて、貴重なお話を聞かせていただきました。──御社のサービスのご紹介をお願いします。弊社は「建設の世界を限りなくスマートにする」というミッションのもと、建設業向けの生産性向上のためのサービスである「Photoruction」の開発を行っています。建設現場における写真や図面などの業務を効率的に管理するアプリケーションであったり、工事の事前の準備やデータ入力をサポートするアウトソーシングである建設BPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)のしくみをクラウドで提供している会社です。ゼネコンの大規模工事現場から、専門工事会社や設計事務所まで、すでに30万箇所以上の現場で活用されており、国内最大級の建設向けサービスです。──現在の開発チーム体制について教えてください。現在はプロダクトの開発チームとプラットフォームの開発チームの2つに分かれています。プロダクトの開発チームは、Photoructionや建設BPOのサービスを開発しています。実は、今年2つの新しいプロダクトをリリースする予定になっておりまして、その開発チームも有しています。それぞれのプロダクトに沿って、開発チームがそれぞれいるというかたちになっています。プラットフォームの開発チームは、どちらかというとインフラ寄りでQA(品質保証)やカスタマーサクセスなど、開発管理をしていく部隊になります。全体で50~60人くらいの開発体制で、正社員はそのうち30人台半ばになっています。ポジションでいうと、ウェブエンジニアとアプリエンジニア、SREがいます。ウェブエンジニアはフロントもバックエンドもやるというスタイルを取っており、モバイルのエンジニアは、iOSとAndroidに分けてそれぞれ開発をしています。──その50~60名の方は、どのような環境で働かれているのでしょうか?基本的には、契約体系を問わずフルリモートでの開発がメインになっております。──コロナが落ち着いてから、出社頻度を増やす企業様も少なくないと思いますが、御社がフルリモートを続けられている理由は何ですか?コロナ禍をきっかけに、開発体制はフルリモートへと移行しました。 もちろん、効率だけを考えれば、オフィスに集まって開発する方が有利な面もあるでしょう。しかし、一度定着したフルリモート体制を覆すことは、社員への負担が大きく、離職リスクも高まります。このため、現状はフルリモート体制を維持する方針です。また、大手企業を中心にオフィス回帰の動きが進む中で、フルリモートという働き方は、優秀な人材を獲得する上で大きな武器になるとも考えています。──ここからフリーランス人材の活用というお話に入っていければと思います。どういった課題や背景からフリーランスを活用しようとお思いになったのでしょうか?開発プロジェクトは年間計画に基づいて進めていますが、どうしても「急にリソースが必要になる」という場面が出てきます。そうすると、急ぎでプロジェクトに参画していただける方を探す必要がでてきますが、正社員採用でこのニーズに対応しようとすると、時間もかかる上に、希望するスキルを持った人材を確保できるかどうかも不透明です。そこで、プロジェクトを計画通りに進めるために、フリーランスの方に参画してもらうことが多いです。──スピーディにリソース調達しやすいわけですね。はい、それは大きな利点だと考えています。プロジェクトに適した方をスピーディに紹介していただけるのが魅力であり、リソースを素早く確保したいときによく利用させていただいています。 ──弊社との接点は、いつ頃からですか。私が(この会社に)入ったときには、すでに関係性がございました。フォトラクションの初期段階のころから、お付合いがあったと伺っています。最初は、4年ほど前ですがSenyouの役員の方が開発支援に入っていただき、今も継続的に支援いただいている方もおります。──現在も開発支援をしているB.Mさんという方がいらっしゃるかと思いますが、どういったポジションで参画していますか?またB.Mさんの評価を改めて教えてください。B.Mさんは、私たちがSREのエンジニアを探していた際に紹介していただきました。もともとはSREの専門ではなかったのですが、幅広いスキルを持っており、迅速にキャッチアップして対応してくださっています。限られたSREのリソースの中で、システムを安定的に運用していただき、活躍していただいています。──面談時のご評価と稼働してからのギャップはありましたか?ご紹介いただいたときに、Senyouさんから「本当におすすめの人材です」という方でしたので、結構期待していました。実際、期待していた通りでして、長くお願いしている優秀な方です。──具体的なエピソードはありますか?B.Mさんは、開発に対して良い意味でのこだわりを持っておられます。内部で使うAPIを新しく作ることになった際には、その作り方やアーキテクチャについて率先して提案してくださいました。「こういった作り方にするべきだ」といろいろなアイディアを出していただき、開発にも積極的に参加してくれました。そのため、今の私たちの内部APIの基盤を作ってくださったといっても過言ではありません。──フリーランスを活用するコツみたいなものがもしあれば教えてください。「開発するものが明確に決まっている」「必要な技術や経験がはっきりしている」という場合は、フリーランスを活用するメリットが大きくなると思います。コストパフォーマンスの面でも、専門性の高いスキルを持つ人材をピンポイントで確保できるという点でも、非常に有効な手段になり得ます。ただ、注意しておきたいのは、「フリーランスなら何でもできる」と過剰に期待してしまうことです。フリーランスの方にも、得意な分野、専門とする技術領域があります。そのため、事前にしっかりとすり合わせを行い、フリーランスの方の専門性と、私たちが解決したい課題との間にミスマッチがないかを確認することが重要です。ミスマッチを防ぐことができれば、フリーランスの皆さんの能力を最大限に引き出すことができ、プロジェクトの成功にも大きく貢献してくれるはずです。──フリーランスの人材を採用する際のポイントや見極め方、大事にしていることを教えてください。フリーランスの方との面談は、正社員とは異なり、1回かつ短時間で判断する必要があります。その際、私が特に注目しているのは、その方がチームに合うかどうか、一緒に働く姿がイメージできるかどうかです。スキルが優れていても、挨拶ができなかったり、考えが分かりにくかったりする方よりは、コミュニケーションが取れる方を選ぶことが多いです。面談には、時には3名ほどのチームメンバーにも参加してもらい、チームの中できちんと働くイメージができるかどうかを重視しています。──どういう方が、フォトラクションという会社に合っていると考えますか?一緒に働く上で大切にしているのは、他者を優先できるかという点です。ホスピタリティの高い方を求めています。面談でそれを見極めるのは難しいですが、「主張は強いですか?」と直接尋ねるのではなく、個人の主張の強さを判断できるような間接的な質問をしたり、「どのようなときにフラストレーションがたまりますか?」といった質問をして、対応を観察しています。面談中に他者に対して批判的なベクトルが向く方については慎重に判断することが多いです。──ポイントとしては、今開発している50~60人の顔を思い浮かべながら、チームに合うかどうか、他者を優先できるかどうか、という視点で評価をしているのですね。そうですね。とはいえ、技術力に関しても質問をしながら見極めています。技術力が最低限のレベルはあって、チームになじめそうかの判断ができたら、だいたいお願いすることが多いです。話がずれるかもしれませんが、私たちとしては、プロの方に仕事を依頼しているという認識があります。実際、プロとして自分がどのように会社の課題を解決できるかに向き合っていける人は、やはり高く評価されるのではないでしょうか。──これまでSenyouを活用してきてどうですか?ポジションが空いていて、すぐに新しい人材が必要な場合には、Senyouさんにお願いすることが多いです。理由を考えてみると、コミュニケーションがしやすく、レスポンスが速いからだと思います。また、紹介していただく人材の質も高く、他の会社よりも優れていると感じ、非常に満足しています。本来であれば、様々なエージェントの候補者をくまなく見て最善を選ぶのが理想ですが、Senyouさんから紹介いただき実際に稼働した方々の中には、長くお願いしたいと思える方が何人もいます。そうした実績があり、安心感があるため、リソースが必要なときにはまずお願いすることが多いです。──コミュニケーションのしやすさについて、深堀りさせていただきたいのですが、具体的にはどういった部分ですか。無駄なコミュニケーションが発生しないという意味合いでしょうか。紹介いただく方は、これまでの稼働とマッチングの実績があるので、そんなに大きく外されることはないです。案件を依頼した際に「この人はどうですか?」とすぐに紹介してくださるのも魅力的です。──Senyouに今後期待することはありますか?紹介していただく方の信頼度を示すものがあると、採用しやすくなると思います。オプション料金が発生しても、その方が安心感があるかもしれません。いわばリファレンスチェックのようなものですね。──信頼度というのは、「その人に仕事を任せられるかどうか」の度合いみたいなものですか?そうですね。技術力への信頼度はもちろんありますが、それ以外にコミュニケーション能力や働き方への姿勢など、そういった要素は事前に分かることもあるかと思います。以前一緒に仕事をしていた人にリサーチしてもらうなどしてもらうと、企業としては非常に助かります。あと最近注目しているのは、チーム単位での人材提供です。個人ではなくチームで契約することで、個々人のリスクが分散され、問題が発生してもチーム内でリカバリーできる可能性が高まります。そういう形の契約は割と賛成です。Senyouさんには企業がさらに安心できる仕組み・サービスを期待しています。